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発汗が必要な理由
人間の体温が一定に維持されるためには、体内で産生された熱と、体外へ放出される熱の量のバランスがうまくとれていなければなりません。体内で熱が産生されるのは、生きていくために不可欠な物質代謝の結果であり、それをなくすことはできません。特に絶えず行動する動物である人間は、ちょっとした運動でも骨格筋などで熱が産生されます。そのため、このような大量の熱をうまく体外に放出する仕組みが必要となります。
人間は体内で産生される熱を放射、伝導対流、蒸発によって、体外に放出しています。
放射は、皮膚の温度が外気の温度より高くなった場合に、その温度差のために自然に失われる熱で、全熱放出量の半分近くを占めます。
伝導対流は、体に直接触れている物に熱が移動したり、体のまわりに接触している空気が風邪や体の移動のために動くことで、熱が空気中に失われることをいいます。
蒸発は、汗が全身の皮膚から蒸発するときに放出される気化熱です。
暑い夏や寒い冬もある地球上で生活している人間にとっては、温度が急激に上昇したり低下したときや激しく動かなければならない時にこそ、体温の調節が必要となります。外気温が体温よりかなり高くなった時などは、放射や伝導体流といった方法では、逆に熱が体内に入り込んでしまうこともあります。このような外界の温度が高い場合には、皮膚の血管が膨張して発汗が増加し、蒸発による熱の放出を促すように働きます。つまり、汗をかくことは、体温を調節して生きていくために必要不可欠なことなのです。