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汗が産生されるメカニズム

汗の腺には、エクリン腺とアポクリン腺の2種類があります。普通私たちが汗をかくという時の汗は、エクリン腺からの汗のことです。エクリン腺は、体のほとんどの部分に広く分布しています。

エクリン腺がないのは、外耳道や爪で被われている部分、唇など、ごく限られた部分です。エクリン腺が汗をかいて熱を放出するためのものであることを考えると、体の大部分に分布しているのは非常に合理的なことです。

エクリン腺の腺体は皮膚の表面から約1?3mmのところの、真皮層から皮下組織の上部にかけて存在します。その大きさは約60?80ミクロンで、肉眼では見えず、もう一つの汗腺であるアポクリン腺に比べてかなり小さいので、小汗腺と呼ばれることもあります。

一方、アポクリン腺の方は人間の場合、ごく限られた部分にだけあり、ほとんど脇の下にあります。残りはごく少量ですが、乳輪、へその周囲、外耳道、外陰部、肛門周囲などに存在することもあります。エクリン腺が体温調節のために必要なものなので、全ての人のほぼ全身に存在しますが、アポクリン腺の数は脇の下に限っても、人種によって、また同じ人種でも個人によってその量に大変差があります。

アポクリン腺は、皮下組織の上部で毛穴と一致したところに存在し、その腺体は腋の下では肉眼で十分確認できるほど大きく、大汗腺とも呼ばれています。アポクリン腺の役割は体温の調節ではなく、体臭の原因となる汗を産生することです。多くの動物では、仲間同士の確認や異性を引きつけるフェロモンのような役割を担っており、非常に発達しています。しかし、人間では進化の過程で徐々に退化してしまい、現在ではアポクリン腺の分泌液の臭いは、日本語ではワキガと呼ばれ忌み嫌われる傾向があります。人間の場合は直立歩行するので、脇は相手の鼻に比較的近い位置にあり、人間のアポクリン腺が主に脇の下にあるのも合理的なことだったのです。